保田先生の「ごはん塾」
レポート7:灘高等学校  灘高2年生がごはん塾を初体験! 聞き、見て、感じた 健康を支える食べ物の大切さ
 冬晴れに恵まれた1月10日。神戸市東灘区の灘高等学校でごはん塾が開催されました。この日、授業を受けたのは204人の高校2年生の皆さん。高校での授業は初めてという保田先生、将来が期待される高校生にどんな話をされたのでしょうか? また、生徒の皆さんの反響はいかに!?
日本の将来を背負って立つには、 からだの健康も大事!
 午後2時。視聴覚室で保田先生の授業が始まりました。「君たちには日本の社会をリードする人間になってほしい。そう期待されてるよね?」。生徒の皆さんの姿に若い頃の自分の姿を重ねられたのか、お話もいつも以上に力が入った様子。日本で初めて植物図鑑を作った牧野富太郎博士に憧れ、植物学者を目指していた学生時代の夢の話を交えながら、「初志を貫徹するには、勉強だけじゃなく健康も大事なんです」と繰り返すところは、思わず頷くほど力強い説得力がありました。
次第に打ち解け、保田先生の 質問に返事をする生徒さんの姿も
 授業はごはん塾のテキストを使って進められ、日々とり入れる食べ物の良し悪しが健康を左右すること、食べ物の選択が地球環境の保全や将来の食糧危機への備えにつながることを、生徒の皆さんの日常に密着した話題としてお話しされました。
 最初は先生が「元気ないなぁ。もっと反応してよ」とはっぱをかける場面も見られましたが、授業が進むにつれ次第に打ち解けた雰囲気に。「皆さん、明日の朝は何を食べますか?」と、ごはん食の大切さを話した後に必ず先生が問いかける質問に、大きな声で「ごはん!」と返事をする生徒さんの姿も見られました。

生徒の皆さんは授業で こんなことを感じました  みんなの声を 聞いてみよう!
 授業を受けた204人の生徒の皆さんに、アンケートをお願いしたところ、半数以上の方が授業の内容がわかりやすく、面白いと興味を持ってくれたようです。また、4分の1以上の方が、ごはん食を「とても重要」と感じてくれたのは大きな成果でした。  「生の声」をお聞きすべく、生徒の皆さんを代表して4人の方々に授業の感想を聞いてみました。
(写真左から)今回、取材にご協力いただいた亀田雄太郎さん、中野友貴さん、堂垂達也さん、小谷洋輔さん。
やはり食べ盛りの10代。肉のおいしさは格別?
 授業のなかで、人間よりも体温の高い動物の肉の脂は、人間の体内でどろっと固まる性質があり、肉類のとりすぎは「どろどろ血液」=血管がつまる原因になるという話がありました。一方、水の中を泳ぐ魚は人間の体温よりも低いので、魚の脂は人間の体内で固まらないそうです。これについては、「今までどちらかというと、魚を避けていたのですが、これからはもうちょっと頑張って食べるようにしたいです」と前向きな発言も。とは言うものの、やはり食べ盛りの10代、「おなかいっぱい食べたいときは、食べ放題の焼肉に魅かれます」。4人とも肉のおいしさは捨てがたい様子です。
魚は「嫌い」じゃなく、食べるのが苦手
 魚は血液をさらさらにし、サンマやサバなど青い背の魚は、脳の働きを活発にするDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富。「骨つきの魚を上手に食べられないので」と、食べにくさから何となく魚を敬遠する声もありました。面白いのは、4人とも焼き魚や煮魚は苦手だけど、お寿司は「好き!」とか。年齢を重ねるとともに、焼き魚や煮魚のおいしさにもぜひ、目覚めてほしいものです。そのためにも、好き嫌いをせず、いろいろな味に慣れましょう。
意外なことに気付いた、カルシウムの話
 授業のなかで、いちばん心に残った話題のひとつが「カルシウム」のこと。「今までカルシウムは、牛乳でとれるものだと思い込んでいました。菜っ葉や豆類に豊富に含まれていると聞いて正直驚きました」「サラダはちゃんと食べるようにしていますが、生野菜のかわりに菜っ葉のお浸しを食べたら、カルシウムがとれるんですね」と、意外な驚きを素直に感じとったようです。
和食の素晴らしさや 食事の大切さを改めて知って
 耳の痛い話もあれば、「そうは言っても…」と頭を悩ます話もあったりと、今回の授業で生徒の皆さんはいろんなことを感じてくれたようです。
 「家でインスタント食品を食べると、父から“もっと健康的に食べなさい”と注意されるのですが、インスタントの味が結構好きで習慣的に食べてしまいます。今日、先生のお話を聞いて、自分の健康のために、食べ物をきちんと選ばないといけないと思いました」「和食に対して“古い昭和の食べ物”というイメージを持っていました。今日の授業で、ごはんとみそ汁、納豆という食事の組み合わせは、健康上、理にかなった献立であることがよくわかりました」「和食よりも洋食が好きということに変わりはありませんが、肉、魚、野菜をバランスよく食べるように心がけたいです」。和食中心の食事をとるように意識することで、自分自身の健康はもちろん、日本の食糧事情や地球環境の未来にもつながることを、少しずつ気付いてくれるのではないでしょうか。
ミニコラム 学校生活おもしろトピックス  どんな 学校生活を 送っているの かな?   全国屈指の進学校と名高い灘中学校、灘高等学校。生徒の皆さんの学校生活にまつわる、興味深い話題をお届けします!
●ふだんは私服通学!
最近でこそ、私服通学の学校は少なくありませんが、灘高等学校では昭和40年代から私服通学が始まったそうです。早い時期から私服通学を取り入れたことにも、自由な校風がうかがえます。
●あこがれの馬糞帽
灘中学校の制服の帽子は、旧制中学時代からの伝統である「馬糞帽」(ばふんぼう)が今も受け継がれています。多くの受験生がこの帽子に憧れ、私服通学になってからも、馬糞帽をかぶって通学する生徒さんもいたようです。現在、ミニチュア版の馬糞帽があり、合格の記念に購入する受験生も多いとか。
●文化祭で人気といえば…
毎年5月に行われる灘高等学校の文化祭では、「灘高オリジナルグッズ」が注目の的に。シャープペンや携帯電話のストラップなど、保護者の皆さんが考案したオリジナルグッズが販売され、合格の願かけにと受験生の間で人気を集めています。
●基本は文武両道!?
進学校=勉強漬けの毎日かと思ったら、クラブ活動もさかん。まさに「文武両道」の学校生活を送っています。灘中学校では、およそ8割の生徒の皆さんが体育会系のクラブに所属。なかでも人気が高いのは、野球部とサッカー部のようです。