宝塚歌劇団プロジェクト

月組 遼河はるひさん 城咲あいさん インタビュー≪前編≫

私たちのパワーの源は毎日、必ず食べる白いごはんです

月組公演『夢の浮橋』『Apasionado!!(アパショナード)』(宝塚大劇場:11月7日~12月11日 東京宝塚劇場:1月3日~2月8日)に出演中の遼河はるひさんと城咲あいさん。遼河さんは、『夢の浮橋』では権力闘争と恋に翻弄され東宮の地位を追われる二の宮を、『Apasionado!!』では、ライオンに扮したりドレスを着たりと、いつもとは違った一面を覗かせています。一方、城咲さんは、『夢の浮橋』では匂宮を惑わす小宰相の君を、『Apasionado!!』ではパワフルで情熱的なダンスを披露しています。今回は、舞台で組むことが多い遼河さんと城咲さんに、それぞれの印象や与えられた役になりきる秘訣、パワーの源などについて、担任のちか先生が話をうかがいました。

ちか先生:2008年は源氏物語千年紀ですが、今、このときに源氏物語を演じられるお気持ちは?

遼河さん:とても光栄に思っています。源氏物語は、今回、演じるにあたって改めて読んだのですが、恋に対する恨みやさまざまな人間模様―。現代社会ではひた隠しにしている部分を、千年も前に作られた物語にあからさまに描かれていたことに驚きました。私は、匂宮の兄 二の宮を演じているのですが、今回の『夢の浮橋』は、男女の愛だけではなく、男同士の友情、様々な人間模様が描かれているので、これまでとは違った源氏物語として観ていただければと思います。

城咲さん:私の場合、初舞台が「源氏物語あさきゆめみし」だったので、入団して9年目の今年、もう一度演じることができたことに運命を感じています。ただ、私が演じる小宰相の君は演出家の先生の創作で、源氏物語には登場しない人物です。そんな小宰相の君がどのようにみなさんと絡んでいくのか、楽しみながら観ていただきたいと思います。

ちか先生:これまでいろいろな役を演じられていますが、役作りの秘訣というのはあるのですか?

遼河さん:まず、与えられた役が物語のなかで何を伝えるべき役なのか、お客さまにどう感じられるべき役なのかを客観的に考えてみます。そのうえで役の人格を特徴付けられるようなセリフを台本から見つけ、人格を固めていきます。私の場合、素の自分に近いとすぐにその性格に納得してしまうせいか、自分に近い性格ほど人物像が浅くなってしまいます。反対に納得いかない性格だと、「どうしてこう思うんだろうか」とその人格についていろいろと考えるので、どちらかといえば、自分とは性格が違う役のほうが演じやすいように思います。

城咲さん:私は本を読むのが好きなのですが、ただ筋を読むのではなく、多種多様な登場人物の考え方や価値観などを自分のなかで蓄えるつもりで読むようにしています。また、普段の生活のなかで出会った方々の考え方もできるだけ蓄えるように心がけているんです。そうすると、最初は共感できない人物像だったとしても、台本を読み重ねるうちに自然に理解できるようになっています。


ちか先生:『Apasionado!!』では遼河さんもドレスを着て登場されるのですが、城咲さんは遼河さんのドレス姿をどのようにごらんになられましたか?

城咲さん:娘役には出せない力強さだったり、違った色気があって、本当にステキだと思いました。

遼河さん:久しぶりのドレスだったので、ピンヒールを履いて銀橋を渡るのが大変でした。それに、男役の場合は身体の線を補正することで男らしさを出すのですが、娘役は身体の線がそのまま。日頃のケアが大変だろうなと思いました。

城咲さん:風邪をひかないようにするのと同じで、普段から健康管理のひとつとしてケアをしています。といっても、かなり好きなように食べていますよ。

ちか先生:よほどしっかりと食事を取らないと体力が保てないと思うのですが、そのあたりはいかがですか?

遼河さん:私は食べないと動けないタイプです。特にごはんが大好きで、ごはん粒を1日に1回食べないと気が納まらないほうです。外食先でごはんが食べられなかったときは、ごはんの分だけおなかを残しておいて、後からごはんを食べるほどです。きっと、「ごはんはエネルギーの基本」と頭の中にインプットされているんでしょうね。

城咲さん:私もごはんが大好きです。朝はたくさん食べると苦しくなって公演ができなくなるので、少量で腹持ちのよいものをと思い、おむすびなどのごはんを食べるようにしています。

遼河さん:これは伝統にもなっているのですが、ラップに包んだ一口サイズのおむすびをたくさん作ってもらって、化粧直しのときなどに食べているんです。特に歌を歌う前は、おにぎりが必需品です。

城咲さん:チャーハン、塩おにぎりなど、いろいろ作ってもらうんです。私がそのなかでも塩おにぎりが大好きです。一口サイズですが、それをひとつ食べるだけでも元気になるんですよ。

遼河さん:実は月組の組長 越乃リュウさんのご実家が新潟で、新米の季節になるとお母さまが新潟の美味しいお米で作られたおむすびを差し入れしてくださるんです。それがまた格別においしくて。月組ではその時期になると、みんな「そろそろかな?」と楽しみにしているんですよ。

次回も引き続き、遼河はるひさんと城咲あいさんに語っていただきます。ごはんに対するこだわりやおふたりにとっての「こころにおいしいごはん」などについてお聞きします。

 

愛知県出身。1996年に入団。月組公演『CAN CAN』で初舞台を踏む。その後、2001年に宙組に組替えし、2002年、「鳳凰伝」にて待望の新人公演主演を果たす。2006年、『NEVER SAY GOODBYE』では主人公と敵対するアギラール役を好演。その直後に再び月組に組替えし、現在は月組の男役スターとしての活躍が期待されている。174センチの長身、低音で良くとおる声、美形―。その理想的な男性像に魅了される女性ファンも多い。

東京都出身。2000年に入団。花組公演『源氏物語あさきゆめみし』が初舞台。2001年に月組に配属。2002年1月、「ガイズ&ドールズ」新人公演でヒロインに抜擢され、2003年、宝塚バウホール公演「なみだ橋えがお橋」において初ヒロインを務める。その後、新人公演で4回、宝塚バウホール公演で4回、ヒロインを経験している。2008年『ミー・アンド・マイガール』では、娘役で初のジャッキー役を演じ、さらに役の幅を広げた。抜群のスタイルと華やかでエネルギッシュなダンスが舞台上でひときわ目立つ娘役スターのひとり。

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