宝塚歌劇団プロジェクト

望海風斗さんインタビュー前編 いつの日も私を支えてくれたのは、優しいおにぎり!

今夏、宝塚大劇場で蘭寿とむさんが率いる花組が上演し好評を博したMusical『愛と革命の詩―アンドレア・シェニエー』とショー・オルケスタ『Mr.Swing!』が、10月11日からいよいよ東京宝塚劇場で幕を開ける。お芝居は、フランス革命時の実在の詩人アンドレア・シェニエの生きざまを描いたイタリアオペラをもとに、宝塚が初めてミュージカル化した話題作。ショーは、スウィングをテーマにさまざまなジャンルの音楽に合わせエネルギッシュに展開するバラエティ豊かでダイナミックな作品である。

お芝居で主役のアンドレア・シェニエと志を共にする自由主義貴族という重要な役どころを、しっかりとした実力で演じて客席の心を掴んでいるのは入団11年目の望海風斗さん。ショーでも花組の男役ここにありというダンスと素晴らしい歌唱力で客席を魅了している。お芝居、ショーともに主要メンバーとして華やかな舞台を支える望海さんに、これまでの道のりや、忙しい日々を支えてくれる“ごはん”についてお話しいただきました。

初めての観劇で、一気に夢は宝塚

―宝塚との出会いを教えてください。

宝塚との出会いは小学校3、4年生の頃で、宝塚の大ファンだった叔母に勧められて『Puck』をビデオで見たのが初めてです。実際に観劇したのは月組公演『グランドホテル』と『BROADWAY BOYS』で、一気に宝塚歌劇の世界に引き込まれました。人前で踊ったり歌ったり表現することが好きだったので、その時から将来の夢は宝塚歌劇団に入るということに変わりました。当時の小学校の担任だった先生が今でも観劇にいらしてくださるんですよ。本当に嬉しいです。

夢と“おにぎり”に支えられていた音楽学校時代

―音楽学校の思い出についてはいかがですか?

音楽学校の生活は、思い返すと大変だったことや辛いこともありましたが、その先には念願の舞台がありましたからすべてが楽しかったですね。同期生って不思議なもので、年を経るごとにますます大切に思えてきます。卒業した同期生が観劇に来てくれるのも、それだけですごく嬉しいですし、他組の同期生の頑張る姿を見ると、これまた本当に嬉しく励みになるんです。音楽学校では圧倒的に寮生が多いのですが、栄養が偏りがちになるのを心配して、自宅通学組のお母様たちが交代でおにぎりを作ってくださっていたんです。当たり前のように毎日楽しみにいただいてました。後になって皆でお礼を言った時に、食べ盛りの皆のための早朝のおにぎりづくりは本当に大変だったことを知りました。そんなご苦労にも気づかずいただいてましたが、音楽学校の生活を温かく、さりげなく応援してくれたおにぎりは忘れられません。


目指したいのは、意外性や面白味を感じてもらえる男役

―これまでの作品で心に残っている役は?

演じさせていただいた役は、すべてその時の自分の中で大切な役として残っているのですが、『BUND/NEON上海』の劉衛強は特に印象深いです。やってみたいと思っていた黒い役で、お稽古中から役に没頭していました。日々役と戦い、役に徹していました。主演の朝夏まなとさんが、本当に自由にさせてくださり、思うがままにぶつからせてくださいました。ファンの方からもあの役が良かった、あの役を見てファンになったというお声をよく頂戴します。今ならもう少し役作りの難しさを感じるのかも?と思いますが、未熟ながらも精一杯やりきった役でした。


―現在入団11年目ですが、今後目指す男役像は?

これまでは、どうしたら男役らしくカッコよく見えるかということに心を砕いてきましたが、これからはそれに自分らしさをプラスしていきたいです。役者としては、今度はどうやるんだろうと思ってもらえるような意外性や面白味のある男役になりたいですね。殻を破り続けるのは本当に難しいと感じますが、頑張りたいです。

―宝塚の生徒として大切にしていることは?

上級生の方やOGの方は、何をやっても品があってこその宝塚だとおっしゃるので、やはりモットーである“清く、正しく、美しく”を忘れずに、品というものを大切にしていきたいですね。そしてどんな時も、心のある舞台をお届けしたいです。

初めての観劇で、一気に夢は宝塚

―健康管理で気をつけていることは?

よく寝ることと食べることです。7時間は眠るようにしています。ストレス解消はいろんな人とおしゃべりすることでしょうか。他愛もない話をしているうちに舞台で張りつめていたものがほどけていくように思います。温泉に行って思い切り身体を休めるのも好きですね。

―食生活はどうですか?

凝った料理はできないのですが、ごはんを炊くこととお味噌汁をつくることはやろうと努力しています。朝食はごはん、お味噌汁、納豆をいただきます。お味噌汁の具は、なめこが好きですね。できるだけ野菜も摂るように心がけています。野菜を摂らなきゃと思ったら、それこそいろんな種類の野菜を買ってきて、短時間で炒めたり蒸したりして食べていますね。

昼食の時間がとれない時などは、劇団の食堂の『塩にぎり』をちょこちょこと食べたりしています。海苔もついていないシンプルなおにぎりがおいしいです。劇団の食堂は、生徒の注文にも応じてもらえるので、私は『丼』にしてもらうことが多いです。たとえば『生姜焼き』というメニューがあれば「生姜焼きを丼で」とお願いするんです(笑)。『海鮮丼』も大好きです。ごはんの上に乗せて食べるのが好きですね。


―家庭料理でお好きなメニューは?

母がつくる料理では、ハンバーグ、ロールキャベツなどが好きですが、中でも母オリジナルのシューマイは我が家ならではの優しい味わいです。以前、花組の方が自宅にいらした時にも召し上がっていただいたのですが、とても喜んでくださいました。

望海風斗

神奈川県出身。2003年『花の宝塚風土記』で初舞台。同年花組に配属。2005年バウホール公演『くらわんか』で端正な容姿と卓越した演技力を客席に印象づけ、注目を集める。2009年『太王四神記』で新人公演初主演。2010年バウ公演『BUND/NEON上海』では主人公と敵対するマフィア役で苦悩する男の生き様を熱演し、客席を魅了した。2012年バウ公演『Victorian Jazz』でバウホール公演初主演を果たす。2013年『オーシャンズ11』ではダーティで迫力あるホテル王を好演。同年東急シアターオーブ公演『戦国BASARA-真田幸村編―』の猿飛佐助役では、幸村配下の忍びとして縦横無尽に舞台を駆け巡り、作品を大いに盛り上げた。

望海風斗

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